元町団地自治会「60周年記念誌」発行される。

60周年記念誌を飾る表紙絵(検討案)

私の住む、札幌東区にある元町団地は、S37~39年に、北海道住宅供給公社により、面積約20ha  宅地474区画の分譲住宅団地として建設された。この地は、伏古川の遊水池の湿地帯で、特産の玉ネギ生産には向かず、農耕馬の牧草地として利用されており、建設当時は、背丈ほどの雑草が生い茂っていたという。

この地に、居間、台所、食事室、これに連結する和室や浴室などユーティリテーが一体化した、ブロック造の 三角屋根住宅が建設された。これは、外壁をブロック化した防寒性能の高いニューモデルの「北海道的居住中心型住宅」であり、しかも、色とりどりの屋根の住宅500戸ほどが、何もない原野に、忽然としかも整然と出現した。

そして、間もなくS38(1963)年11.10  元町団地自治会が発足した。

それから、今年R5年が丁度60年目にあたる。

現会長のD氏によると、前年2月に執行部会は、来年は自治会設立60周年という節目の年にあたるので、自治会活動の足跡を記録することした。概要は、既刊の設立50周年後の10年間を単位として、60周年記念事業の一環として記念誌を発行する、という。

私と自治会との関わりは、H19年運営委員、20-21副会長、22-26 会長であり、27~現在 までは顧問として関わっている。

今回、編集委員会より投稿依頼があり、「それからの10年に想う」として次のように投稿した。

 それからの十年に想う(寄稿文)。

平成25年11月、元町団地自治会発足50周年記念がサンプラザで盛会に開催された。それから十年が経過し、その間、顧問としての想いを過日の記録にと記する。

三角屋根に思う

団地の特性、ブロック造三角屋根住宅(以下、三角屋根)が次々と消え、跡地には新たな住宅が2~3棟と並び、団地は日々姿を変えて行く。設立当時468棟の三角屋根もH25には、原型を留めるもの38棟、1部増改築44棟、併せて82棟であった。それが十年後の現在は、原型16棟(内、6棟は空家)で、増改築22棟、計38棟が3角屋根と認められ、往時の僅か8%の残である。

一方、アパートは92棟と十年前より14棟も増え、5班を除き、全班にほぼ均等に分布している。駐車場は11と十年前より2カ所増え、空地は15から7と半減してる。これらから、住人の世代交代と建物の更新が急撃に進み、善悪を別に都市化が一層進展中である。

2 自治会活動の後継者

人生100歳が話題となる昨今、多くの方々が亡くなられた。思いつくままに、鷲岡、高橋、宮崎、及川、西山、相馬、児玉、稗貫、宮崎、長田さん・・・ 皆発足当時より、自治会発展にご尽力された方々である。他に文化作品展、ごみ回収、除排雪、子ども会、夏祭り、運動会、防犯パトロール、ダンス、切り絵、囲碁、ゴルフなど様々な活動をされた方々が冥界に旅立たれた。ここにご功労に感謝し、ご冥福を心よりお祈りする。

そこで心配なのが、これら方々の後継者が殆ど無く、多くの活動が衰退、廃止を迫られる一方、「個人情報の秘守」が自治会活動の大きな軛になっていることである。

建物も住人も60年の長きは、複数回もの世代交代の期間にあたる。特にこの十年間はコロナ禍もあり、地球規模で社会環境が変化し価値観も多様化し、生計の維持さへ難しくなっている。

隣接する開成高校は、中高一貫校となり、団地内では、従来の1区画に多くの戸建て住宅が増え、さらに1棟十数戸ものアパートも増え、団地全体では100~200戸の新家族の増である。それ故、子ども会への加入も十数年前には数十人だったのが最近では親子120人を数えるという。この新住人を「子ども会、自治会が上手に取り込み」自治会の世代交代、若返り、エネルギーの充填を図ることが「喫緊の課題」と想っている。

3 元町団地のシンボルを大切に!!

先人達による団地諸行事は、ここを巣立った多くの住人の「心の故郷」となっている。

故高橋会長の「元町団地が子ども達の良き故郷となり、高齢者の安住の地になることを」や元真嶋会長の「皆が安全で安心して住み続けられるマチ」をモットウとし故高瀬会長の「会員の声を集約し、反映させる」などに団地の未来があると信じる。

それには目に見える身近な環境である街並み、特に元町中央公園が「団地のシンボル」「心の故郷」であり続けるよう「他人任せでなく自ら大切に維持・管理していかねば」と想うこの頃である。

以上です。

ではまた!!