第5日目 プリトヴィツェ 湖群国立公園を散策する。朝7:50 公園内ホテルからバス出発。10分位で公園入口のビジターセンターに着く。案内人は、サラエボから戦火に追われ家族でこの地に移ってきたという若い女性。
案内板の前で、公園の概要を聞いた後、いよいよ滝と湖との観光が始まる。
- ビジターセンター前で添乗員(細川さん)のガイダンス。
- プリトヴィツェ湖群国立公園の鳥観図
数分歩くと峡谷にさしかかる。足下の削られた地形は、断崖と滝の大スペクタクル。断崖を横切る歩道上を歩く人々はアリのように小さい。よく見ると、大小の湖が、瀬、滝、森林と渾然一体となって、思わず知らず吸い込まれそうになる。
- 世界遺産「プリトヴィツェ湖群国立公園」の遠望
- 森と湖・滝・断崖の多様な自然。遊歩道の人はアリ。
- 森と湖・滝・断崖の多様な自然美。
- 森と湖・滝・断崖の多様な自然美。水はエメラルド色。
- 森と湖・滝・断崖の多様な自然。紅葉が始まる。
- 森と湖・滝・断崖の多様な自然。右の滝は公園最大。
- 森と湖・滝・断崖の多様な自然美
- 森と湖・滝・断崖。カヤツリグサ?
- 森と湖・滝・断崖の多様な自然
歩道を辿り、落差78mと最大の「ヴェリキ滝」にいたる。一面飛沫が舞う。平地にはブナやハン、カンバ、カエデなどの広葉樹がみえる。高山にはモミが湿原にはイネ科のヨシが拡がる。紅葉は始まったばかりか。でも我が国の赤の鮮やかさは見られない。
- ヨシ湿原と木道
- 公園最大の「ヴェリキ滝」。落差78m
- 遊歩道を上流へ辿る。水がエメラルド色。
- エメラルド色の「ミラノヴァツ湖」と障壁に掛かる滝々。
この湖群の誕生は、大地を覆う厚い石灰岩の層に弱酸性の雨水がしみ込み、長い地球の歴史の過程で、ポストナイ鍾乳洞と同じように石灰岩中に大きな峡谷が出来、その後天井が落ち、水が溜まり大小の湖が生じたという。湖が何段にも重なり連なっているのは、鍾乳洞の石筍と同じ石灰華(炭酸カルシュウム)が湖間の障壁を作ったためで、その大小の障壁を流れ下る川が瀬や滝となって見られるという。また植物の根や遺骸などが割れ目をふさいだという。
遊歩道2kmを約2時間をかけて歩く。
- 垂直な断崖の麓を辿る木製の遊歩道
- 最大のヴェリキ滝。落差78m
- 遊歩道より「ミラノヴァツ湖」と障壁を望む。
公園中央にあるコズイヤク湖まで渓谷を登り、遊覧船でこの湖を渡り対岸に着く。
- 遊覧船発着場にて船を待つ一行
- 公園中央のコズイヤク湖を横断する遊覧船
- 途中の船着き場
- 対岸の船着き場。無事湖水を横断。
歩道は主に湖畔、障壁部分を通り、川や湿原は木道で繋いでいる。標高差150mの間に合計16の湖と92の滝があるという。船着き場から昨日のホテルまで10分ほど森の中を歩く。
- 遊歩道沿いのカンバ、ハンノキなどの広葉樹林
- 中部ヨーロッパの代表樹ブナの大木。
- 公園内の道路とブナの木
ブナ、カンバなどの樹木が素晴らしい。残念ながらこの観光は、この渓谷の下半分である。
午前11時。 プリトヴィツェ 湖群国立公園を発ち、次の目的地ザグレブ(140km)に向かう。のどかな田園の車窓には、ポツンポツンと1992年クロアチアの独立後ユーゴスラビア連邦軍の進軍で1995年迄続いた内戦の跡が見られる(この内戦で20万人もが死んだという)。窓や屋根が吹き飛ばされたレンガの建物。戦車や航空機を展示した屋外の戦争博物館なども。
- 道路沿いに点在する「戦禍」の残る廃屋
- 戦禍の後を修復した民家
- 戦禍の後を修復した民家
- 何事もなかった様に見える沿道の農家。
悲惨な戦争の爪痕は少なくなったが、この国民の心の中には肉親や国土を失った癒えない傷跡がまだまだ大きく残っていることだろう。
15:00クロアチアの首都ザグレブに着く。
以下次回。乞うご期待!