札幌開成中・高等学校の除雪ボランティア活動 

女子バトミントン部の除雪風景(H23.2)

札幌元町団地(戸建約400戸、アパート約80棟、自治会会長出口福子氏)は、隣接する札幌開成中・高等学校の体育部(野球、バスケット、サッカー部員等)延べ110名(他教師数名)の除雪ボランティアを受け入れ延40戸の除雪を行った。

今年は1~2月中の4日間、高齢者家庭などの除雪を実施、この活動は、平成22年から毎年実施されている。

学校と自治会の関わり
元町団地は、S37~39年に道、市の支援で北海道住宅供給公社が建設したカラフルな三角屋根が整然と立ち並ぶ470戸、面積21haの大団地であった。これと時を同じくして開成高校が建設されS38年に開校した。建設当時、この地は札幌市街地の東北部のはずれで伏古川の遊水地であり、低湿地なため人家もなく、雪融けの時の浸水や大雨による道路の冠水が多発するなどなどインフラ整備が不十分であった。そのため、入居後すぐに自治会が結成され、開成高校で設立総会が持たれた経緯がある。

元町団地完成(S39)と開成高校

昭和46年夏の航空写真(中央のグランドが開成高校敷地、その左のホームベース型住宅群が元町団地)

以来50有余年、団地の夏祭りへの同校ブラスバンド部の出演、野球部の甲子園出場の支援、中高一貫校化への支援など様々な近所付き合いがあり、今日に至っている。

元町「団地夏祭」への開成高校ブラスバンド部の出演(H23.7)

最近の新しい動き

半世紀に及ぶ時の経過により、団地住民には高齢化、少家族化が急速に進展し、一方、高校側には少子化による生徒数や社会・教育環境の変化などから新しい教育、学校作りが模索され、H27に中高一貫校に生まれ変わった。
その間、元町団地としては冬の除雪対策として、平成元年頃から団地住民がお金を出し合い、市が計画を立て、業者が排雪するという現在の「パートナーシップによる除排雪システム」を考案・試行し、市に導入を働きかけ実現をみた。また、社会福祉協議会による「福祉除雪」も会員有志の積極的支援で継続実施されている。更に、これらの対象から漏れた高齢者世帯など生活弱者については、かって、開成野球部が団地内住宅の除雪を支援してくれた経緯もあり、平成21年団地自治会が高校側にクラブ活動の一環として高齢者住宅の「ボランティア除雪の再開」をお願いしたところ、高校側も地域とのつながりの重要性を理解され、新しい「ユネスコ部」が地域対応に動き出し、翌年から再開、平成27年度中高一貫校化の達成後も継続支援してもらっている。ここに、改めて、開成中・高校のボランティア活動に感謝し、今後とも善き近隣関係の維持を祈念し、お礼に代えさせていただきます。