森林の案内人 2020.8.2 道民の森にて

神居尻山(947m)の麓に建つ、道民の森のシンボル「総合案内所」 海抜250m

  1985年 国際森林年を契機に、道央の当別町、月形町の2町 約12,000haの道有林内に設置された「道民の森」は、今年で開園30年になります。今年は、新型コロナの影響もあって、恒例の5月開園が延び延びとなり、6月1日に開園、計画したイベントも縮小し、「宿泊」「キャンプ」や「森林の案内」など一部活動が始まりました。

天候も7月末から25度を超える晴天が続き、神居尻山(945m)登山を初め、散策、家族バーベキュー、昆虫採集、宿泊など多くの家族連れの姿が見られます。

今回(8/2)は、今年3度目の出番でしたが、好天に恵まれ、若い女性2人をオオナラ・コースへ案内しました。解説は、コース沿道に咲く「エゾアジサイ」の「飾り花」を主な題材とし、植物と昆虫の共進化の話しを交えながら、次々に現れるツルアジサイ、イワガラミ、ノリウツギ、そして、最後は、コース終点のキャンプサイトに咲く、青の美しいアジサイ(園芸種)で〆ました。

遊歩道には、いくつものタヌキの「タメフン」、オオナラの大木下には大きなヘビの抜け殻(シマヘビ?)や、何匹ものエゾサンショウウオの泳ぐ姿も見られ、話題に事欠くこともありませんでした。

午後は来客は少なく、一人でコースを巡りました。

一日を通じて目にした草花は、ヨブスマソウ、ヨツバヒヨドリ、オオハナウド、ブタナ(帰化植物)、ツルニンジン(蕾)、オカトラノオ、エゾノシモツケソウ、オオヤマサギソウ(蕾)、セイヨウノコギリソウ(帰化)、イケマ、ミヤマトウバナ、カタバミ、それに花の時期を過ぎたウメバチソウ、イチヤクソウ、エゾスズランなどでした。

一日一杯、涼しい森林内の小径を辿り、澄んだ空気やフィトンチッドに満たされ、草花を写真に納め、満足して帰路につきました。

この夏、暑さに負けず、そして新型コロナに負けず、三密を避け、ご家族そろって、道民の森で自然を満喫してください。

では、また!!

 参考

①国際森林年

1985年、アジア、アフリカの「熱帯林の急激な減少、劣化」が国際的な問題として認識され、環境破壊防止のキャンペーンとして国連により設定された。

その後2011年に、「持続可能な森林管理、利用」という、森林の「成長量を超えない範囲での木材利用」の重要性の認識を高めるため、再度、国際年が指定された。

同じ名称で「国際年」が制定されるというのは異例のことで、如何に環境問題が深刻化しているが窺える。

 ②道民の森

1回目の森林国際年(1985)に構想され、1990年に神居尻地区が最初に供用開始となった。この森は、神居尻地区を中心とした6地区約1.2万haの道有林で、日本最大の森林公園です。 最高峰は神居尻山(947m)です。

中心となる総合案内所は、海抜250m地点にあり、少し離れて森林学習センター、いくつもの宿泊施設があります。周囲はミズナラ、イタヤカエデ、シナノキなどを主体とする落葉広葉樹林です。この地帯は名うての豪雪地帯で、介在するトドマツなど針葉樹林は人の植えた人工林です。

海抜が高くなるにつれて、森林(林相)はダイナミックに姿を変えます。

海抜400-600m地帯はトドマツなどが混生する針広混交林、600-800m地帯は ダケカンバ、ミヤマハンノキ、ミネヤナギを中心とする広葉樹林、森林限界を過ぎる800-950m地帯は ササ原、ハイマツ帯、お花畑(高山性草原)となっていきます。

見どころの1つは、シンボルとも言える樹齢500年のミズナラの大木「オオナラ」です。このオオナラは、根元周囲が6.4mで北海道の巨木番付で10位です。ちなみに1番は札幌の郊外小金湯温泉の「小金湯のカツラ」(10.5m)です。

道民の森の最大の見どころは、北海道が管理する道有林の「自然林」です。 まさに「道民の森」そのものズバリです。山岳景観、森林、野生生物、清らかな水の流れ、山麓周辺のダムや牧場風景etc.・・・ 最近の来園者は年13万人と往時の半分ですが、開園以来530万人とほぼ北海道民全員が訪れた数となっています。

道民の森では、登山、キノコ狩り、キャンプ、星の観察会、木工作教室、草木染め教室など盛りだくさんのイベントが皆さまのご来園をお待ちしています。

③道民の森について  詳しいことは下記にアクセスしてください。

公式サイト 道民の森/北海道 (http://www.dominno-mori.org)

コメント

  1. 山根 より:

    お庭の剪定、ご苦労様(8・15 pm13時44分)