クロアチア・スロベニア周遊8日間の旅(1)

スロベニア屈指の保養地ブレッド湖の風景

妻と二人で旅をしました。 9/29、千歳を9:30発ち、羽田空港発14:05のルフトハンザLH-0717で27人のツアーに参加しました。ランクフルト経由でオーストリアのグラーツ(Graz)まで飛行機を乗継ぎ、更にバスで215km、翌9/30の午前2時(日本より8時間遅れの現地時間)、丸1日かけて漸くスロベニア(Slovenia)のブレッド(Bled)のホテルに着きました。

早速朝9時、専用の観光バスに乗り込みブレッド湖に行く。この湖は、ユーゴスラビアのチトー大統領も大変お気に入りで、湖畔に別荘を持っていたという。
観光の目玉は、湖上の小島に建つ聖マリア教会と湖畔の断崖上のブレッド城である。
その背後には、Jアルプスの最高峰トリグラウ山(2864m)が見られる。この山はスロベニア国民に慕われ国旗にもデザインされている。この小島にはギルドの末裔による手こぎボート2隻で渡った。

次いで、ここから約100km南下し、ポストイナ鍾乳洞に向かった。車窓の景色は、岩石の上に丈の低い広葉樹の灌木が覆い、地力のない植生がみられ、時折トウモロコシ畑も見られた。因みに降水量は地域により異なり800~3,000mm/年 という。

スロベニアは四国ほどの大きさで人口200万人という小さな国である。スロベニアの大地は石灰岩が4割を占め、その地下には13,000もの大小の洞窟(鍾乳洞)があるという。鍾乳洞は、炭酸ガスが雨に溶け弱酸性を帯びた雨水が、石灰岩の割れ目にしみ込み、大地を溶かし、その水の流路が地下渓谷となり、更に発展すると地下空間の迷宮(鍾乳洞)になると言う。この石灰岩は、今から2~2.4億年前のパンゲア大陸時代、ラチス海の貝やサンゴが海底に堆積し固まって岩石になったもので、この地がカルスト地方であることから、このように洞窟のある地形をカルスト地形と呼ぶという。このポストイナ鍾乳洞はビフカ川が10万年かかって石灰岩層を浸食したもので、全長は27kmにも及び、世界で第3の規模を有するという。

この洞窟には、先ず電動50車両程の4人乗りトロッコ列車で進み、それから1.8kmを1.5時間かけて歩いて観光する。

連続する空間は大小様々でアップダウンも100mもあり、地形は極めて変化に富み、大きな空間では東京ドームもすっぽり収まってしまう規模のものもある。

洞窟内部は、年間を通じて10℃前後変化無く、この暗闇空間には、目の退化したイモリ「ホライモリ」など100種を越える生物が生息するという。

又、地上にはこの地特有の赤色土壌「テラ・ロッサ」が分布し、ブドウの産地を成し、赤・白ワインが名産品となっている。でも車窓からはブドウ畑は見られなかったが・・・。

いずれにしても厚い岩石上の少ない土壌に生育する植生には厳しいものがある。

我が国の「秋吉台」と比べる術もないが、陽の差し込む所一つ無く、真っ暗闇でトロッコ1台がやっと通る様な曲がりくねった迷路が27kmと気の遠くなるような空間を、200年前から延べ3,400万人もの観光客が訪れている。
確かにこの地下空間は想像を絶する造形美ではあるが、残念なことに被写体が大き過ぎて地形が複雑でしかも暗く、私のカメラ(技)ではとても捉え、表すことが出来なかった。
でもこの洞窟の存在感は抜群で、これ程まで闇の造形力に圧倒されたことは初めての経験であった。