ニュージーランド6日間の旅

2017年6月、H社の企画で妻と二人でNZを旅しました。好天に恵まれ、Mt.クックもミルフォード・サウンドのクルーズも充分堪能出来ました。

               Mt.クックの雄姿の遠望

2017.6.8-9 出国→NZ
出発は、成田発NZ航空のNZ0060便。18:30発オークランド行で飛行時間10時間35分。遅れ午後7時過ぎ離陸。腕時計では3時、現地時間6時、突然場内放送があり食事の時間と到着予定が知らされる。窓からは朝日が差し込み、7時、和食にコーヒーでの機内食。旨い日本の食事。予定より15分早くオークランドに到着。旅行社の差し入れのサンドウイッチを手に11時発クライストチャーチ行きに乗り換え再び空の旅。12:30到着。30分後には一行25人専用バスで225km先のテポカ湖へと向かう。クライストチャーチを出ると直線道路を南に下がり2時間でティマラ。そこで西に折れまた2時間走る。車窓の景色は、収穫後の枯れた茶色の畑や放牧場が続く。広大な平原に、時折緑のラジアータパインの防風林と屋敷林、それに灌水施設が見える。車は元より人影はほとんど無い。

夕闇が迫る頃テカポ湖畔の石造りの「善き羊飼いの教会」に到着。日は落ち瞬く間に夜の帷が下り、きれいな星空となる。近くの湖畔ホテルに6:30チェックイン。乾いたサーモン丼の夕食。夕食後8:30南十字星を見に近くの天文台の丘でのツアーに参加。初めての南十字星とのご対面。9:30ホテルに帰る。10就寝。長い1日が無事暮れた。     善き羊飼いの教会→

6/10 テカポ湖~マウントクック国立公園~オマラマ~クイーンズタウン
朝、6時のモーニングコールを待たず出発の荷造りを始める。7時朝食。バイキング方式、食パン、ソーセッジ、野菜サラダ、オートミール、コーヒーで腹拵え。 7:45 各自トランクをバスに積み込み出発。今日の走行距離は500km。先ずはマウントクック国立公園に向け凡そ100km。途中細長い氷河湖プカキ湖畔を走る。昨日同様、車窓には放牧地や原野が連なり自然の森林は見られず、ラジアータパインの緑の人工林がポツンポツンと見られるのみ。しかし、ラジアータの森はしっかり生長し20mもの高さとなっている。他には何もない茶色の原野が続く。いずこも冬枯れで緑はほとんど見あたらない。マウントクック国立公園に着く。谷間の飛行場でセスナ機にスキーを履かせたスキープレーンでの氷河着陸やスキーを楽しむ同行のツアー客を降ろす。晴天だが風が強く、急遽ヘリに変えてトライしようとしたが、強風でMt.クックの稜線は雪煙でかすんでいる。ヘリも着陸が危ぶまれこのツアーは中止となる。ビレッジのPホテルで12時まで自由時間。まずMt.クック(3,754m)の写真(下)を撮り、ビジターセンターで公園内の生物やエベレスト初登頂のE.ヒラリー卿ゆかりの登山史博物館を見る。

それから100km余を走って、オマラマでラムステーキの昼食を採り、羊の毛刈りや牧羊犬ショウを見る。さらに300kmを走り途中クロムウエルの日本人農場でドライフルーツや特産のマヌカ蜂蜜を購入し、帰りの土産とする。再びバスに乗り、「バンジージャンプの発祥の地」の狭い峡谷を縫って走り、7時半ワカティプ湖畔のリゾート都市クイーンズタウンに到着。すぐに中華レストランで夕食。これは美味しく一同きれいに食べる。ホテルには8時過ぎチェックイン、部屋割り後各自落ち着く。9時入浴、10時就寝。今日1日、晴天に恵まれMt .クックのすばらしい山容に堪能し、氷河湖畔の人口1万人のリゾート都市クイーンズタウンの夜は無事更けていく。

6/11 クイーンズタウン~ミルフォードサウンド~クイーンズタウン
7:45 朝暗い内よりバスに乗る。現地案内人はF氏。600km 12時間の旅。まず、テアナウ湖9:30に着く。トイレ休憩後湖畔を散策。10時出発。森林の中に「山が消えていく道」を進むと森の脇の小さな沼、世界遺産登録のミラー湖に到着、下車し周辺の遊歩道「南極ブナの原生林」を散策。再びバスは険しい山道を上っていく。分水嶺を越え手堀りの「ホーマートンネル」を過ぎ、タスマン海を望む西海岸に入る。

ミラーレイク              分水嶺から西海岸方向を望む

周囲は深い森で覆われている。途中キャムズで下車し甌穴による奇石と下層に7~8mもの高さの木生シダの繁茂する南極ブナの原生林を散策。

1:15 ミルフォード・サウンドに到着。1:30 クルーズに参加。

氷河に削り取られ垂直に立つ最高1,683mのマイターピークを始め1,000m級の山々、そこに懸かる150mの滝々、水深は300m。E・ヒラリーはこの地で登山技術を磨いたという。

そそり立つ岩肌には随所に横に削られた氷河の痕が残る。荒々しい自然の造形と対象に岩の上にはアザラシがのんびりあくびをしている。
外海近くまで行き引き返し3時、帰路につく。7:30 昨夜と同じホテルに着き、奇妙な夕食を採り、入浴後、明日の準備、荷造りを済ませ9時就寝 。寝ながら思う・・・
NZに氷河地形に関わるこのような多様な自然が存在するのは奇跡だ。この地は南緯46度。かって私が住んでいた日本最北の稚内と同じ緯度なのだ。そこにシダの繁茂する温帯雨林や氷河、そしてフィヨルドがあるなんて・・・

6/12 帰路 クイーンズタウン~クロムウエル~クライストチャーチ~オークランド
5:30 起床、 6:45 朝食、8:00 出発。帰路につくためクライストチャーチ空港を目指す。490km7時間半の旅。一昨日通過したクロムウエルの果樹園によってナッツを購入、屋外に柵があり、リャマなど奇妙な動物が飼育されている。1:00 オマラマ、4:30 クライストチャーチ到着。空港のチェックインは5時。
6:00 NZ0566便でオークランド空港へ 7:20 着。バスで夜の市街見物 。ハーバー・ブリッジ、スカイ・タワーを廻る。9:30 山の上のホテルに到着。ほんとに疲れた。

6/13 出国 オークランド ~成田
5:00 起床、出発の荷造りを済ませる。全員が出発10分前にはバスの中で待機している。
5:55 ホテルを出て20分で空港に着く。直ちに出国準備。9時無事出国となる。
NZ航空 NZ0099便は、往路もそうだがすばらしいエアークラフトだ。窓は自動的に紫外線がカットされ、手動でも調整できる。DVDシアターはいろんな国の話題作が選べて、今回は「ホビット」を選んだ。このNZ作成映画の主人公ガンダルシアは、神話の英雄のようにNZ空港入口の看板に飾られている。映画の舞台はミルフォード・サウンド国立公園の南極ブナの森や渓谷、氷河湖などで、その植生や地形が充分楽しめる。飛行中DVDシステムをいじっている内に段々と解ってきた。お陰でワインのフリー注文が出来るようになり、以後は映画を見ながら色々なワインやチーズを注文。11時間もの長旅の前半は飲まず食わずであったが後半は充分楽しむことが出来た。4:50の成田到着予定が早まり、添乗員NさんとJALスタッフとの連携で税関も早く無事に通過でき、順調に千歳空港に到着。

お陰様で、盛り沢山のNZ6日間の旅は好天にも恵まれ無事に楽しく終わりました。

二度目のNZですが、今回、新たな確認、発見がありました。

①広大な平野、険しい山岳自然、すばらしい南極ブナの原生林 

②植民地政策(英国)のすさまじい自然林破壊 

③道路、橋、ダム等人工物の少なさ 

④ヒツジ主体の低コスト農業 

⑤少ない人口、先住民マオリとの共生(巧みな政治主導) 

⑥フィヨルド地形や氷河湖、モレーンなど氷河の影響の大きさ 

⑦うまい水 等です。

<注>

甌穴/おうけつ(Pothole)
川の浸食によって生じた円形の穴。河床の軟弱部に水流の浸食が働いて淺いくぼみができ、この中に礫が入ると渦流により回転し円形の穴は拡大する。礫も摩滅し丸く縮小する。
この地形が連続すると奇岩や奇景が見られる。

ラジアータ・パイン(Radiata pine)
米国カリフォルニア州、モントレー郡産のモントレー赤松を、ニュージーランドが20世紀後半に国を挙げて品種改良した育種樹種。20~25年で直径40cm、樹高30mにも達する超優良生長樹種。現在、ラジアータ林業に発展し、NZの主要産業となる。

南極ブナ科(Nothofagus)
ブナ目、ナンキョクブナ科、ナンキョクブナ属の植物で、35種類あるという。
双子葉植物の木本で、アフリカを除く南半球の温帯から熱帯に分布する(南極大陸には生育しない)。北半球のブナ科に似ており、かってはブナ科に分類されていたが現在では別科である。

マヌカ蜂蜜(マヌカ・ハニー)
マヌカの木は高さ5mに満たない灌木で、針葉樹のネズコモドキ類といわれる。
この木の種子や樹皮は、先住民マオリ族の間で薬効があることが古くから知られており、特に、この花蜜からとる蜂蜜には抗菌活性があり、健康食品としてお湯に溶かして常飲するという。南島ではマヌカの木が、原野のいたるところで生育し、農家の庭先にはいくつもの巣箱が置いてあり、バスからもよく見られた。