2020年 Pandemicな年を振り返って

冷和2年元旦の朝日新聞社説には、国連の持続可能な開発目標「SDGs」は、17の普遍的な目標として、貧困や飢餓の撲滅、質の高い教育の提供、女性差別の撤廃、不平等の是正、気候変動の影響軽減などを掲げた。しかし現実は、我々の居るべき場所からはほど遠い。20年代この目標に、何処まで迫れるのか、それが世界を見る一つの視点であると説く。だが、世界的には、「自国第一」のポピュリズムが横行、我が国首相は、言葉だけは普遍理念を掲げるが、行っていることはほど遠い。

我々は貧困を終わらせることに成功する世代になるか、地球を救う最後の世代になるかの瀬戸際にある。と論じている。紙面のトップに目を移すと、カジノを含む総合リゾートIRを巡る5人の国会議員の汚職、カルロス・ゴーンのレバノン逃亡、東京五輪のマラソンコース移転で都・道知事云々・・。相も変わらぬおらが村のまつりごとか グローバルの一神教・・・

ところで、我が身は!! 今年も変わり映えのしない「目標らしき」を掲げた。

①家族の健康、家内安全 ②人生を楽しく(80才台を前に) ③終活努力(山梨の生家の処分)。具体的には、①健康体操、野外活動の励行 ②海外旅行と独語会話上達  ③山梨の生家の処分(跡地植樹の完了、他不動産の処分)④多読の奨め など そして、座右には…

 形見とて 何か残さん 春は花 夏ほととぎす 秋はもみじ葉    良寛

こんな風に始まった2020年であるが、2/5 ダイヤモンドプリンセス号での新型コロナウイルス感染者発見のニュースが伝えられた。 そして・・・

2/13  日本人女性のコロナ感染死が報じられる。

2/24 北海道でも感染者26名、昨日より9名の増。3/19  全国で感染者千名を越える。  3/24  オリンピックの延期。

4/30には世界で感染者311(死者7.5)万人。最大は米国の100万人、西欧先進国でも20~10万人となる。

4/7  「緊急事態宣言」7都府県で発令、「もはや時間の余裕はない」 となった。

こんな中、我が目標も大きく変更を余儀なくされた。

① 野外活動

ア 町内会では、年度末の監査、定期総会等集会が中止となり、全てが文書で示され、その後は花壇整備、夏祭り等主要行事が中止となった。

イ  道民の森ボランティア活動は、恒例の大型連休の「開園」が道の指示で中止となり、6月中旬開園とはなったが、主な行事は大方中止となり、「森の案内人」だけが6~10月まで続けられ、それに月1回程度参加した。

② 海外旅行

今年は6月に「中欧4カ国周遊 」、10月に「夢のドイツ8日間」の2回を予定していたが、両方中止となった。それで、そのお金を回して、築20年のマイホームの大々的な改修を6月中旬行った。それに伴ない、ドイツ会話レッスンも2年越しの仕事となった。

③ 山梨の生家の管理・処分

4~11月に計6回帰省することとし、航空便を予約していたが、全てがキャンセルとなり、別途、時期を選びコロナ禍をかいくぐり7月と10月に帰省した。

大変だったのは、広い屋敷の「草刈り」であり、それに予期せぬ集中豪雨によるJrの運休であった。生家の処分は、経済全般に変調が生じ、大都市集中というこれまでの神話が崩れ、地方分散・ふるさと志向が芽生えるなど新しい動きに期待し、更なる長期戦が強いられた年でもあった。

④ 読書(多読)については

ドストエフスキーの「白痴」、プラトンの「国家」、アリストテレス「政治学」など手当たり次第読み始めたが、TV番組でのコロナ関連の「世界の知性」の緊急インタビュー<コロナ後の世界>からジャレド・ダイヤモンドリンダ・グラットンなどを知り、その著書「銃・病原菌・鉄」「文明崩壊」「危機と人類」「ワーク・シフト」「ライフ・シフト」などを集中的に読み、これまで体験したことのない新鮮で衝撃的な「知」を得たのは望外の喜びであった。

一方、予期せぬ出来事として、道央地区にアライグマの農業被害が多発し、その駆除の技術的な推進役に、農水省の野生鳥獣被害対策アドバイザアーであることから引っ張り出され、10年ぶりに道央地区の田畑を廻り、ワナ掛けの指導をする羽目になった。これは楽しみながらの社会貢献であり、喜んで参加させてもらっている。

又、私の本業である林業では、スイスでのビオレイの照査法に関する著書「森林経理学」が刊行されて100年を記念する「林業セミナー」が道東の置戸町で開催され、そこに招かれ、この春に纏めた照査法試験林の研究内容を中心に報告するという予期せぬ機会に恵まれた(ともにHPに公開済み)。

新型コロナの世界の現状

最後に、これら全ての原因となった「新型コロナのパンデミックについて」その現状、今後の蔓延予測などについて考える。

12/10 pm5 現在 世界の新型コロナウイルス感染状況は次の通りである。

    感染者数             死者                       感染者       死者    ( 単位万人)   

世界      6,892.2          157.0      1日の増加数 66.9  1.3

米国      1,539.2      28.9

日本       17.0             0.238

北海道     1.1              0.029           

ジャレド氏は、今回のパンデミックは、歴史的に見ると第1次世界大戦終盤(1918年)に大流行した「スペイン風邪」に一番近いという。スペイン風邪の死者は4千万人(一説には1億人以上)と言われている。しかし、今回の新型コロナも大きなパンデミックではあるが、今、直面している地球規模の危機に比べると大したことはない。これがひとまず収束したとしても、核兵器、気候変動、資源枯渇、格差の拡大etc. の世界的な危機が目白押しである。これらこそ、世界が体験している史上初の「世界的規模の危機である」と言っている。 今回のコロナ禍は、最大限拡がっても死者は世界人口77億人の2%程度で、仮に1.5億人死んでも75.5億人が残る。これでは「人類史上の危機」とは言えない。核戦争や気象変化の被害の方がもっと甚大なことは明白だ、している。

「新型コロナウイルス(COVID-19)統計情報」によるとこの1年の感染状況は表の通り。

世界の感染者数は、如何にも綺麗にグラフに乗る。本来、この様なグラフはロジステック式と言われる微分方程式で示され、ある時点で頭打ちとなるのだが、残念ながら私の力量では如何ともし難い。それ故、今後数カ月後の予測には簡便法として多元多項式を用いる。

なお、世界の感染状況の推移(上位ランキング10位まで)は,次の通り。

3月には中国の8万人が断トツで、残1万人が韓国、イラン、EU諸国で占め米国は8番目であった。それが、5月には、米国の150万人が断トツでその10分の1以下でロシア、ブラジル、英国、EU諸国となり、中国は10位以内にない。7月には、米国350万人でその2/3がブラジル、1/3がインドでロシア、ペルー、南ア、メキシコ、チリ、英国、イランとなり、中南米が増えている。12月には、米国、インド、ブラジル3国が大半を占め、それにEU諸国、アルゼンチン、コロンビアとなっている。米国、インド、ブラジルの今後の推移が如何になろうか? なお、感染者推移は図の通りである。 出典 マイクロソフト「新型コロナウイルス(COVID-19)統計情報」

今後の予測

先のグラフに示したように、来年3月上旬には、世界の感染者数は現在の約3倍の2億人弱となり、死亡者は現在の約2倍の300万人を超えることになる。そして、まだまだ拡大の勢いは衰えていない。一方、我が国では、感染者は2.3倍の40万人、死亡者は1.2~2倍で、少なければ3千人、多ければ5千人を越えると予測される。

いずれにしても収束の兆しは見えず、やっと登場し始めた待望のワクチンも、副作用などその効果は不明だが、我国に行き渡るのは令和4年4月上旬、悲惨な状況が続くことが予想される。

素人の占師の予測が、大きくはずれ、少しでも早い感染の終息を祈って止まない。

 あかあかと一本の道とほりたり たまきわる我が命なりけり  茂吉

 老いて学べば 死して朽らず (論語

来年こそは、コロナが収束して、よい年になりますように ・・・ 

では、また!!

コメント

  1. 山根 より:

    東京は1000人台にはいるのでは、と思います。