エジンバラ・湖水地方とリバプール・ソールズベリー・ロンドンなど英国の旅(4)

謎多い新石器時代の巨大環状列柱石。1986年世界遺産登録。年間1000万人が訪れる英国の代表的観光地。

【その4】コッツウォルズ地方の美しい町ストー・オンザ・ウォルドとバーフォード  10/15  ホテルの6:00モーニングコールを待たず起き出し、電池の充電、着替え、トランクの荷造りをして、7:00朝食。レストランでハムエッグ、牛乳たっぷりの干し杏、ブドウ入りのシリアルで腹を一杯にして、荷物はポーターに任せ、8:00コッツウォルズ地方へ向け専用バスに乗り込む。

コッツウォルズ(羊の丘)地方とは、イングランドの中央部に拡がる海抜300m以上の丘陵地帯で「特別自然美観地域」に指定され、イングランド屈指の美しさを誇るカントリーサイドである。散在する町の姿は、中央を貫くメインストリートに面して商店が疎らにあり、中央には広場、シティーホール、少し離れて教会があるというパターン。              ストー・オンザ・ウォルド  出発時は天候が良かったが、途中から、霧と小雨。あいにくの天候でのコッツウォルズ観光となる。

羊の丘」の名通り、淡い緑の中で点々と白い羊たちが草をはむ風景は幻想的だ。街を飾る彩りは、この地方特産の石灰岩「ライムストーン」を石材とする建物だ。この石灰岩は産地で色が異なるという。北東部は蜂蜜色、中部は黄金色、南西部は白色。今回訪れるストー・オンザ・ウォルドは北西部に属し産出する岩は蜂蜜色。この地は、14~17世紀に毛織物取引で栄えたという。ここで約40分程過ごす。町全体が霧に包まれ、将に「霧のロンドン」ならぬ「霧のコッツウォルズ」だ。

バーフォード 次は「バーフォード」へ向かう。途中、狭い道沿の「石灰岩の採石場」を通る。雨と霧ではっきり見えないが一体が黄色味を帯びている。出発前までは、「バイブリー」観光の計画であったが、今回の専用バスのような大型バスが狭い道路に頻繁に侵入し、中世からの橋が絶えうる支持力7.5トンを超えるため、多くの町で大型バスの立ち入りが禁止となり、急遽、近隣の町、バーフォードに変更になった、という。

バーフォードも蜂蜜色の石造りの民家が細い坂道に沿って段々状に並ぶ。ここも毛織物で栄えた町で、今はカフェーや土産物店が主で、小さな町だが骨董品店が多いという。30分ほどバスを降りて散策する。 それから約100km南下してストーンヘンジに着く。前庭に箱庭のようなミニストーンヘンジがあるレストランで昼食。12:30遺跡群へのシャトルバスの発着所に到着。そこでシャトルバスの乗り換えストーンヘンジ遺跡へ。

ストーンヘンジ この語をどれ程耳にしたことだろうか?学生時代の造園学の岡崎先生、また、英国の歴史(先史)に出会う度に。その「ストーンヘンジ」に直に対面するとなると緊張で体が強ばる。しかし、シャトルバスからは仲々確認できない。突然、なだらかな緑の丘の上に奇妙な石組みが姿を現す。近づくにつれ、十数個の巨大な岩石が円形状に並んで建っているのが確認できる。石柱のブロックが、何もない緩やかな起伏の緑の丘の上に、ポツンと。 約1時間半、遺跡囲む歩道を巡り、思う存分写真を撮り、ベンチで座って眺める。

3:00、充分堪能して140km東北東にあるロンドンに向かう。

6:30頃ハンプトンバイヒルトンというこれから3連泊のホテルに着く。

(追記) 11/16   6日目早朝の日記、この旅行も半分が経過。これまでの印象的な景観、文物、イベントなどを記す。先ずは、エジンバラ城。断崖絶壁の山頂部での冷たい雨、寒さと風。雨具なしで震えながらの観光。大砲、石の砲弾、剣、槍、鎧、ピストル。王冠にダイヤモンド等の宝石、様々な曰く因縁のある建物からなるミステリアスな歴史的建造物からなる古城。

次いで、湖水地方ウインダミアの観光船と蒸気機関車。船と列車からは面白い写真が沢山撮れた。次いで、コッツウォルズ地方の小さな農村の羊の群れと石造りの家。小さな教会の見事な天井とステンドグラス。そして、広場、骨董品店、ローマ時代の数々の遺跡。

最大関心事はストーンヘンジ。世界中からこれに集まる観光客は、単なる物見遊山の人の山か?他でもない本当に知的好奇心からか? または、単にイングランドの世界遺産だからか? 何もないなだらかな丘陵地に突如として出現する巨大な石組みの建造物。その造形美を愛でるだけでも、ここを訪れる大きな価値があるのか。ストーンヘンジは帰ってからじっくり学ぼう。

特に心に残るのは、1本の街道に沿って途切れること無く続く地元産石灰岩のスレート屋根、壁のシンプルで歴史を感じさせる住宅群。その周囲には、石垣で囲まれた牧場に多くの数の羊、僅かな牛や馬。数百年も続く伝統ある羊毛生産の牧畜業。

 これを守り次代に引き継ぐには、EUからの離脱もやむを得ないという国際環境。英国の個性、強烈な歴史・郷土意識等による総合判断の帰結なのだろう。これが今回の旅の最大の体験か?

明日からはいよいよロンドン観光。

ではまた!!