エジンバラ・湖水地方とリバプール・ソールズベリー・ロンドンなど英国の旅(3)

アルバ-ト・ドックのビートルズの仲間たち。

【その3】リバプールのドックとビートルズ、そしてチェスターの大聖堂と城壁。  現地時間の10/14 AM8:00、ウインダミアから南へ145km、リバプールに向かう。

リバプールはマージー川の三角江に位置し、イングランド中北部の中心都市で、現在人口46万人である。17世紀には対岸アイルランドを相手とした小さな港町であったが、17世紀中頃から、西インド諸島との三角貿易により交易が盛んになる。18世紀中頃には、飢饉を逃れてきたアイルランド人の流入により人口が急増し、19世紀になると蒸気船による北米や植民地との貿易が盛んになり、イギリス最大の輸出港となる。1830年、世界ではじめて工業地帯と港湾を結ぶリバプール・マンチェスター鉄道が敷設される。20世紀になると造船、製糖が衰退し、代わって自動車や機械工業が栄え、人口も50万人を超える。しかし、その後の貿易、海運活動の衰退により大量の失業者を出す。その後、港湾再建計画などにより倉庫事業が復活するなど、変遷の多い歴史ある港湾中心の都市として栄えた。このように、リバプールは、大英帝国の発展を支えた歴史ある海洋商業都市であり、2004年「世界文化遺産」に登録された。

一方、1960年代、ビートルズの登場により世界的に知られるようになる。 マージー川河口のアルバート・ドックの広場にはビートルズの4人の仲間が一緒に歩く姿の銅像が立っている。

ビートルズ像をバックに写真を撮り、暫く広いドック内を観光後、ビートルズの発祥の地であるマシュー・ストリートに向かう。マシュー・ストリートは、何気なく街角に「ジョン・レノンの銅像」が立っている狭い通りであり、今でもリバプールを代表する観光スポットである。その通の中ほどに、ビートルズがデビューを飾ったという「キャヴァーン・クラブ」がある。このクラブは1973年に閉店し、1984年に再建された、という。

暫くマッシュー・ストリートを観光し写真を撮り、近くのレストランで前菜が小魚のフライで鯖を煮付けた魚料理の昼食をとる。やはり港町である。その後、45km南のチェスターに向かう。チェスターは歴史が古く、2000年前のローマ時代に遡る。中世になるとバイキングの侵略を受けるが、アルフレッド大王(849~899)の娘エセルフレダが撃退に成功し、街の城壁を堅固にした。以後、商業都市として繁栄し、古い街並を残す。チェスターはイングランドで最も中世の面影を残す街といわれる。バスは順調に走り、約40分でチェスターに到着する。

先ずはチェスター大聖堂を観光、それから中心部のザ・クロス、周辺の城壁へと足を伸ばす。北門から東門、新門と城壁上を巡り、最後に南門である橋門(bridgegate)へと至る。それは、昨年、ローテンベルクで城壁を歩いた時と同様、周辺のローマ遺跡や旧市街を眺めながら好きなだけ写真を撮り、満ち足りた観光に酔いしれた。

それから専用バスに乗り200km南のグロスターに向かう。

PM6:40 無事グロスターに到着。

明日はストーンヘンジ、そしてロンドン。

旅は半ば終了となる。ではまた!!

参考

三角貿易:15-19世紀にかけて、奴隷としてアフリカからカリブ海や南北米国に約2,700万人もの人々が強制的に運ばれた。イギリスの場合、ロンドン、ブリストル、リバプールなど中心的港から、安価な粗悪な商品を積み込んだ商船は、アフリカ西海岸で、商品と奴隷とを交換し、カリブ海や南北米国に奴隷を運び植民地に売却した後、農園で作られた砂糖、ラム酒、タバコ、コーヒーなどを積み込んだ商船としてイギリスに帰航する。このように、1度の就航で三カ所で取引をするのは、三角貿易と呼ばれ、現在では非人道的で許されざる大罪である。