【その2】湖水地方観光、ウインダミア湖遊覧、蒸気機関車に乗車。
10/13 7:30 専用バスでエジンバラを発ち、216km南の湖水地方、ウインダミアのライダルマウントそしてウインダミア湖畔オボウネスに向かう。2時間ほど走り、途中、運転手の休息のため小さな村でトイレタイム。
- エジンバラから南下する車窓の風景
- 広大な牧草畑と羊の放牧。
- 広大な牧草畑と羊の放牧。
- 車窓の風景。風力発電の塔。
- 車窓の風景
- 専用のバス。ドイツベンツ社製
大きなトチノキのある広場で30分ほど休息。日曜なのに特別お店を開いもらう。
- 小さな町、広場のトチノキの大木に憩う。
- トイレタイムにトチの大木の下で。
更に1時間半ほど走る。途中、風力発電の大きなプロペラも見られる。カーライル手前で「ハドリアヌスの城壁」を通過。添乗員からは何の説明もない。標識だけは何とか確認。
- スコットランドの南部地方の風景。
- スコットランド南部国境付近。
- スコットランド南部国境付近。
そこに至る車窓の光景は、無人の荒涼とした山岳景観。広大な草原と大きな山塊に貼りついた広葉樹林とその背後の針葉樹林。これがスコットランドとイングランドを分ける自然的な境界(山脈)、これを超え更に南下すると歴史的な境界線「ハドリアヌスの城壁」。
- 国境にあるというハドリアヌスの長城。
- 国境にあるハドリアヌスの長城。「地球の歩き方イギリス」より借用。
帰国後、インターネットで詳細に調べる(ハドリアヌスの長城)。
この城壁は、ローマ帝国により(AD122~126)に建設された北からのピクト族やスコット族の侵入を防ぐためのもので、イングランドに現存するローマ遺跡の中で最大のもの。さらに南下、湖水地方にはいる。湖水地方は、1.5万年前に氷河に削られた平地に雨水が溜まって出来た、多くの湖が点在する平坦な地域である。一方で、高い山の少ないイギリスにおいて1000mに近い山々が連なるスケールが大きい自然が見られ、イギリス随一の景勝地として知られている。この湖水地方の景観は、時間が止まったまま200年前と変わっていないという。年間2,000万人以上の観光客が訪れるという。この自然が与えた影響の代表格として、詩人ワーズワース、そして、絵本ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターがあげられる。
- イングランド北部の牧場と石積の垣根。
- 何処までも続く牧場と石積の垣根。
ライダルマウントは、ワーズワースが1813年に家族と伴にこの地に移り住んで37年間も過ごした地であり、そこに美しい1.8haの広大な庭園に囲まれた家がある。
- ワーズワースが愛した樹木の庭園。
- 樹木の間からライダル湖が望める。
- 庭園のベンチで一休み。
- 庭園の遊歩道
- 庭園の石造り「サマーハウス」
- 幼逝の娘「ドーラ」ための建物
庭は、ワーズワース自身がデザインし、世界中から好きな樹木や花を集められ、日本からは、杉、楓、もみじ、ツツジ、ヤマブキなどが移植されている。小さなライダル湖を臨む山の斜面に位置し、歩いて楽しめる回遊式・風景式庭園である。
そこを一時間近くゆっくりと歩き回り、北方植物園のような自然に親しみ、そこからバスに乗り、ウインダミア湖畔の船着場ボウネスにある「ビアトリクス・ポター世界館」を観光する。これは絵本ピーターラビットの著者ビアトリクス・ポターの記念館である。
- 「ビアトリクス・ポター世界館」の建物
- 内部展示の様子。
ここにはポターの描いた物語の登場人物や物語のシーがそのまま再現されている。
その後、ウインダミアにあるレストランでアフターヌーン・ティーを摂る。熱い紅茶に冷たいミルク、新鮮な牛乳から作ったクロテッドクリームをたっぷり塗って、スコーンほか色々なケーキを食する。本当に美味い。何杯も紅茶を所望する。
- ウインダミア湖のボウネス埠頭。
- ボウネス埠頭の桟橋。
- ウインダミア湖ボウネス埠頭にて。
その後歩いてウインダミア湖の船着き場に行き、遊覧船に乗り40分程の遊覧を楽しむ。船は、紅葉の始まった広葉樹に囲まれた静かな細長い湖をゆったりと南に向かう。
- 遊覧船の様子。
- ウインダミア湖の湖上風景。
- ウインダミア湖の湖上風景。
- ウインダミア湖の湖上風景。
- ウインダミア湖の湖上風景。
- レイクサイド埠頭に到着。
レイクサイドで下船し、そこからハバースウェイト迄約20分ほど貸し切り状態で蒸気機関車に乗る。おとぎの国に戻ったような気分。汽笛もトンネルも懐かしい。
- レイクサイド駅で蒸気鉄道に乗る。
- 蒸気列車の車窓の風景。
- 蒸気列車の車窓の風景。
- 蒸気列車の車窓の風景。終点。
- 終点、ハバースウエイト駅に到着。
- 牽引してきた機関車とトンネル。
終点で降り、専用バスでウインダミアまで同じ経路を20分位で戻り、5:30ウインダミアの今晩宿泊のホテルに着く。おとぎの国の1日は暮れていく。
ではまた!!
参考
ワーズワース(1770~1850):イギリスを代表するロマン派の詩人。湖水地方で少年時代を妹と過ごし、幼なじみと結婚し、何回かの引越の後、ライダルマウントに落ち着き、近くにあるグラスミアの教会墓地に3人とも葬られている。
当時の文学界にセンセーションを引き起こした作品の魅力は、万物の真の姿を追求し、簡潔に表現しているところにあるという。
彼は、湖水地方について次のように讃えている。「ものを見る目と楽しむ心がある全ての人は、この地に来て分かち合う権利がある」と。
ビアトリクス・ポター(1887–1963):ロンドンの裕福な家庭に生まれる。16才の少女時代に家族と伴に湖水地方を訪れる。その時、ポターが飼っていたウサギの名前がピーター。以後77才でなくなるまで近くのヒルトップに暮らし、湖水地方の美しい自然、田園風景をこよなく愛した。
絵本ピーター・ラビットの挿絵がそのまま、今日の湖水地方に時代を超えて残されている。ターンハイズ湖は、ポターが一連の絵本の印税収入で購入した湖水地方屈指の美しい湖という。