雲1つない秋晴れの9/29 夕張郡長沼町にて、特定NPO法人 ファーミングサポート北海道の主催・運営による標記学習塾が町総合保健センター「リフレ」にて開催されました。 講師には、池田透北大名誉教授、同NPO法人理事 原田勝男氏という豪華な顔ぶれでした。午前10:30 池田先生の「アライグマの生態と生物多様性への影響」と題してのPPを用いての講演で始まりました。
講演内容は、外来種アライグマとは何か?何が問題なのか?など基本から始まり、生物多様性条約との関わり、更には、在来種と外来種との防除の考え方の違い、それに基づく、アライグマ捕獲、絶滅への道のりなどが、分かり易く平易に解説されました。
- 講師である池田北大名誉教授(手前)と幌村氏とNPOスタッフ
- 池田先生講演のスライド
続いて、多くの資料を駆使され、アライグマの生態的な特徴である、形態、食性、生息密度、社会構造、特定外来生物のアライグマ像が克明に映し出されました。
現在行われているような、ある程度の数を捕獲し農業被害が減ればそれで良いとする行為の無意味さと、それに対し捕獲データを蓄積して、生息密度、CPUE、捕獲水準などデータに基づいた科学的な管理、根絶への捕獲努力目標の提示など、広い視野に立ったアライグマ管理手法について話されました。会場の多くが熱心に聞き入りました。
続いて行政側から、幌村氏が「外来生物法に基づく防除と、鳥獣保護法に基づく捕獲の特徴」、これから捕獲業務に従事する方の狩猟、捕獲、殺処分などの事務処理方法とライセンスの取得などの解説がなされた。特に、 鳥獣被害対策には、従事者間の情報共有が捕獲効率向上に有効であること。それには、スマホアプリの活用が簡単で即対応可能なこと、を強調されていました。
最後に、原田氏より、捕獲個体の殺処分について、特に、電気止めさし機の導入により、如何に殺処分が容易になったか、それが、この事業へいかに大きな効果をもたらしたかについて、長い豊かな経験からお話になりました。アニマルウェルフェアは基より、それに従事する人間側が受ける心のストレスからの解放という深層に関わるお話は、多くの賛同を得ていました。
- 屋外での罠掛け実習風景
- 屋外での罠掛け実習風景
- 屋外での罠掛け実習(池田先生)
- 屋外での罠掛け実習(原田講師)
午後からは、会場を屋外に移し、施設周辺の稲刈り後の水田、農道、水路、その側溝内等でアライグマの痕跡を探し、ワナ掛けの方法、ワナ設置位置の選定等を実地に学びました。その後再び屋内の会場に戻り、3班に分かれて、箱ワナ、巣箱ワナ、前肢捕捉ワナの組み立て・扱い方、及び電気トメサシなどの実習を各自行い自分のモノにして行きました。
- NPOスタッフによる屋内での罠掛けスキルの実習風景
- 池田先生開発の巣箱ワナと研修生。
- 屋内での止め刺し(殺処分)スキルの実習風景
- 午後の室内実習。池田先生の巣箱ワナ解説。
3時過ぎ全て順調に経過し閉会となり、後はライセンス取得者のみの個別打ち合わせとなり、満ち足りた気分にて帰路につきました。
ではまた!!